青森県八戸市の「みちのく記念病院」で2023年3月、入院中の男性患者=当時(73)=が同室の男(59)に殺害された事件を巡り、遺族に交付された死亡診断書が、犯人隠避容疑で逮捕された元院長石山隆容疑者(61)ら2人とは別の医師名で作成されていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。 県警は同日、2人を送検。動機などについて調べる。 他に逮捕されたのは、弟で主治医だった哲容疑者(60)。両容疑者は入院していた高橋生悦さんが、同室の男に殺害されたと知りながら、死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を遺族に交付するなどして、隠蔽(いんぺい)した疑いが持たれている。 捜査関係者などによると、事件発生時、両容疑者は病院内にはおらず、看護師らが医師の診察のないまま止血などの治療を施していたとみられる。死亡診断書の作成者は両容疑者以外の医師名義となっており、県警は両容疑者が共謀して作成させたとみて調べている。 事件は23年3月12日深夜に発生。高橋さんは目を歯ブラシの柄で突き刺され、死亡した。同室の男は看護師に「殺そうと思った」などと話していたが、病院側は家族に「転んだ」と説明し、警察に届け出ていなかった。その後、病院関係者が八戸署に内部通報し、事件が発覚した。