東京都板橋区の踏切で令和5年12月、自殺に見せかけて塗装工の高野修さん=当時(56)=を元同僚らが殺害したとされる事件で、警視庁捜査1課は19日、高野さんに暴行を加えたなどとして、傷害や強要などの疑いで、塗装工事会社「エムエー建装」(東京都小平市)の代表取締役、佐々木学被告(39)=監禁罪などで起訴=ら元同僚3人を再逮捕した。 他に再逮捕されたのは、同社社員の島畑明仁被告(34)=殺人罪などで起訴=と岩出篤哉被告(30)=監禁罪などで起訴。捜査1課は認否を明らかにしていない。 再逮捕容疑は共謀し、5年7~9月、高野さんの自宅や出張先の静岡県内のホテルなどで、高野さんをハンマーで殴ったり、腹部を足で踏みつけたり、食器用洗剤を無理やり飲ませたりしたとしている。佐々木、島畑両容疑者は、2年8月に高野さんに自宅で熱湯を浴びせてけがをさせた疑いも持たれている。 捜査1課によると、容疑者らはスマートフォンで犯行の様子を動画に収め、共有していた。同課は高野さんが日常的に暴行などを受け、容疑者らに精神的に支配されていたとみている。 佐々木容疑者らは、5年12月2~3日、高野さんを車に乗せて監禁、板橋区の踏切まで高野さんを連行し、走行してきた電車にはねられるようしむけ殺害した疑いで6年12月に逮捕された。 東京地検は殺人と監禁の罪で島畑容疑者と社員の野崎俊太被告(39)を起訴。佐々木容疑者と岩出容疑者は監禁罪のみで起訴し、殺人容疑について捜査を続けている。