世界反ドーピング機関(WADA)は19日、セルビア反ドーピング機関(ADAS)が同国内でドーピング物質を輸入、流通させていた組織犯罪グループを解体したと発表した。 WADAは声明で組織のメンバー10人を逮捕し、300万ユーロ(約4億7500万円)以上に相当する3000キロの禁止薬物を押収。薬物のオンライン販売に使われた7つのウェブサイトや約10万ユーロ(約1600万円)の現金、約50万ユーロ(約8000万円)の仮想通貨、多数の不動産、高級車、高級腕時計なども差し押さえた。 海外メディア「フランス24」によると、ポーランドでは1日100万錠のステロイド錠剤を製造できる研究所が発見されたほか、オーストリア、デンマーク、ドイツ、ギリシャでも捜査が行われているという。 WADAの情報調査部長ギュンター・ヤンガー氏は「反ドーピング機関、法執行機関、政府が積極的に協力すれば何が可能になるかを示した」などとコメント。また同メディアに対し「これはドーピングとの戦いに未来だ。なぜなら法執行機関が泣ければ、スポーツ団体は犯罪組織が持ち込む製品との戦いで手一杯になってしまうからだ」と語った。