「選挙研修院中国人スパイ99人逮捕」などの報道で中央選挙管理委員会から告発されたスカイデイリーの所属記者が、出国を禁止されたのに続き、容疑者として警察の取り調べを受けていた。スカイデイリーは、記事の取材源は「米軍消息筋」だと述べているが、自分こそその消息筋だと主張する男性も現れた。その男性はマーベルのキャラクター「キャプテン・アメリカ」の服装で極右集会に参加している人物で、スカイデイリーは「取材源の一つ」であることを認めた。スカイデイリーは、韓米の関連当局が公式に否定しているにもかかわらず、最近まで同様の報道を再生産し続けており、波紋が広がっている。 19日の警察とスカイデイリーの説明を総合すると、警察は「【独自】選挙研修院の逮捕中国人99人、在日米軍基地に護送」(1月16日)などを報道したスカイデイリー所属の記者B氏を出国禁止にしたのに続き、今月4日に容疑者として1回目の取り調べをおこなっていた。B記者は近いうちに2回目の取り調べを受ける予定だという。選管はスカイデイリーとB記者を、公務執行妨害などの疑いで先月20日にソウル警察庁に告発している。 こうした中、「キャプテン・アメリカ」の服装をした極右の人物であるA氏が、18日の韓国放送(KBS)のインタビューで、自身が問題の報道に関与したとして、「私の言う通りにB記者が記事を書いて、私が校正をした」と主張した。ただしスカイデイリーは、関連報道で「米軍消息筋」の話を中心取材源として引用しており、A氏も自身を「米軍所属」だと主張しているが、実際に米軍に所属しているのかは確認されていない。A氏は今月14日、「キャプテン・アメリカ」の服装でソウル明洞(ミョンドン)の中国大使館に乱入しようとした疑いで警察の取り調べを受けている。警察は、スカイデイリーに情報を提供したというA氏の主張についても「必要ならすべて捜査する」と語った。 A氏の主張についてスカイデイリーのK政治部長は、ハンギョレの電話取材に対し、「情報提供が複数のルートを通じてあった。A氏はそのルートの一つに過ぎない」と語った。K部長は「(A氏は)報道に関与したというが、私たちは関与水準とまでは考えていない」としつつも、「彼が話した内容の中の『AIプログラム木人(モギン)』や『中国人スパイ、失業手当受給』などの内容は、別途の事実確認の過程を経て記事にしたことは事実」だと補足した。実際に、今月16日にもスカイデイリーは「読者にお伝えする(4)秘密作戦の舞台裏」と題して、中国人スパイの逮捕は韓米の情報機関の秘密作戦であり、「中国のスパイたちが…木人というAIプログラムを使って韓国と米国の内政に干渉してきたという既存の報道内容を再確認する」と述べている。 K部長は、B記者に対する警察の取り調べについても、「(警察が)最初の取り調べをおこなってもいないうちに出国禁止にするなど、異例かつ迅速な捜査が行われているという点で理解しがたいが、堂々と誠実に捜査に臨む」と述べた。 パク・カンス、キム・ガユン記者 (お問い合わせ [email protected] )