「棄却ってどういう意味だっけ」プレサンス元社長、国賠請求敗訴の結果に困惑

大阪地検特捜部に逮捕、起訴され、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」の山岸忍元社長(62)が起こした国家賠償請求訴訟は21日、特捜部の捜査の問題点を指摘するも、賠償責任は認めないとの判断が大阪地裁で示された。閉廷後、山岸氏は「想定外で困惑している」と判決に不満を示した。 「原告の請求を棄却する」。主文が言い渡されると、山岸氏は憮然(ぶぜん)とした表情で裁判長を見据えた。法廷では約10分間、判決理由が読み上げられたが、特捜部の判断が「不合理とまではいえない」との言葉が繰り返された。 山岸氏はときおり口をすぼめたり首をかしげたりして聞き、裁判長が退廷すると苦笑いしながら自身の代理人と言葉を交わした。 逮捕されてから5年余り。人生を一変させた特捜部の問題を追及するため、あらゆる司法手続きをとってきた。その一環で、捜査に携わった検事が刑事裁判にかけられることも決まった。 国賠訴訟も「100%勝てると思っていた」。判決後の記者会見では、主文を聞いた際は予想外のあまり「『棄却』ってどういう意味だったかな」と困惑したと明かし、「この国から冤罪(えんざい)はなくならない。裁判所は検察を擁護しており、全く信用できなくなった」と語気を強めた。その上で、「うまくいかないのが人生の面白いところ。諦めません」と控訴審へ意欲を見せた。

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