【長野駅3人殺傷事件から1か月】事件発生当時の緊迫の現場明らかに 容疑者の自宅 弁当の容器や空のペットボトルが散乱 衝撃的な事件に心身の不調訴える市民も 男は今も黙秘続ける

JR長野駅前で男女3人が殺傷された事件から22日で1か月です。 テレビ信州が入手した救急隊の活動記録からは事件当日の1分1秒を争う緊迫の現場が見えてきました。 「(何か象徴的な一言)」 これは事件当時消防の活動を記録した資料。 通報内容や、隊員たちの緊迫したやり取りなどが残されている。 事件は1月22日、JR長野駅前で男女3人が刃物で襲われ長野市の丸山浩由さんが死亡、男女2人が重軽傷を負った。 警察は事件の4日後、殺人未遂の疑いで長野市西尾張部の無職、矢口雄資容疑者・46歳を逮捕した。 令和7年1月22日午後8時7分30秒。消防に一本の通報。 「男性。腹部を刺され意識呼吸なし。付近の人が心臓マッサージをしている」 午後8時13分 第一報からおよそ5分後、救急隊が現場に到着。 午後8時17分 意識不明の状態で倒れていた丸山さんを救急車に乗せ、通報からおよそ10分後には市内の病院へ。そこへさらに、新たな情報が舞い込んでくる。 「『もう1人刺された人がいる』との言葉が聞こえたため、司令管制員に救急隊の増隊要請を実施。『更にもう1人傷者がいる』との情報」 後続隊が駆けつけるが…。 「加害事案情報により防刃ベストを準備し着用した。刺した人物の確保が不明との情報により早期車内収容と現場離脱を判断」 稲葉キャスター 「いま消防車が走り出しました。 けが人がいる模様です。搬送車がいる模様です」 重傷の男性と軽傷の女性、いずれも最初の通報から20分以内にそれぞれ救急車に収容、病院へ運ばれた。 長野市消防局によると今回の事件では3つの消防署から 7つの救助隊が出動し総勢20人の隊員が活動にあたったという。 警察は事件発生直後に容疑者の男の姿を公開し防犯カメラなどの映像から行方を追った。 そして事件から4日後の朝…。 軽傷の女性に対する殺人未遂の疑いで矢口容疑者を逮捕。 決め手は防犯カメラなどの映像をたどる「リレー捜査」だった。 矢口容疑者の自宅は長野駅から東におよそ3キロの場所にあるマンションで単身向け7畳のワンルーム。 犯行後は徒歩で自宅に戻り逮捕までの丸3日あまりの間、一度も外出していなかった。 さらに、あごひげや髪の毛を切って容姿を変え、逮捕を免れようとしたとみられている。 捜査関係者などによると1人暮らしで生活保護を受けていた。さらに電気とガスは止められていて、部屋の中には弁当の容器や空のペットボトルが散乱していたという。 水道は止められていなかったが風呂場などにもゴミがあふれ、日常的に使っていた形跡はなかったという。 今回の事件は“市民の心”にも大きな影響を及ぼした。事件が起きてから19日までに県内の保健所に寄せられた心身の不調に関する相談は55件。このうち33件は長野市保健所管内からの相談で「眠れない」「外に出るのが不安」などの内容が多かったという。 容疑者が逮捕されたあとも25件もの不安の声が寄せられた。 事件発生から22日で1か月。 矢口容疑者はいまだ事件に関して黙秘を続け動機は明らかになっていない。 捜査本部は亡くなった丸山さんに対する殺人の疑いでも再逮捕に向けた捜査を続けている。

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