奈良県警西和署は25日、県内在住の60代男性が約1億9000万円相当の暗号資産をだまし取られる特殊詐欺被害が発生したと発表した。県警によると、過去10年の特殊詐欺被害の中で最高額だという。 西和署によると2024年9月、男性の自宅の固定電話に「あなたの保険証番号で普通の患者には出してはいけない薬が購入されている」と知らない番号から電話があった。男性が否定すると、宮城県警仙台中央署員を名乗る人物に代わり「潔白を証明するにはお金が必要だ。口外すれば奈良県警に動いてもらい、あなたを逮捕する」などと脅された。 男性は検察官を名乗る別の人物からインターネット電話などで銀行や暗号資産取引所の口座を開設するよう指示され、19回にわたって計約1億9000万円相当の暗号資産を振り込んだという。相手と連絡が取れなくなって不審に思い、知人と共に7日に西和署に相談した。【田辺泰裕】