広瀬すず主演のTBS金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』の第5話が終了。弁護士・松風義輝(松山ケンイチ)の父・久世正勝(篠井英介)や、東賀山事件の裁判で遠藤力郎(酒向芳)の弁護人を務めた三木田辰雄(石丸謙二郎)が新たに登場する回となった。しかし一向に山下春生(リリー・フランキー)を殺害した犯人、東賀山事件につながる手がかりがまだまだ見えてこない状況に、多くの考察ファンを惑わしている。 そこで、現時点で考えられる犯人候補は誰か、初回から怪しい動きを見せる刑事・赤沢正(藤本隆宏)は何を企んでいそうなのかを考察してみたい。 第5話では、春生が力郎は22年前の「東賀山事件」の犯人ではなく冤罪だと断言していること、そして真犯人の目星がついていて独自に調査をしていたことが浮き彫りとなった。 そして松風の父・久世の存在が明らかに。彼は松風が小学5年生の時に車の中から現金の入ったバッグを盗んだ容疑で逮捕され、懲戒免職になっていた。そして離婚して以降行方不明に。そうした過去から松風は「警察は嘘をつく」「自分は真っ当ではない」など自虐的思考になったようだ。 また、松風を警戒する赤沢が、彼の父親が久世と分かると「松風が久世さんの息子……」とさん付けをしていたので、直属の先輩の可能性が高い。おそらく正義感の強い久世は警察上層部にとって邪魔な存在で、冤罪でハメられた。もしくはバッグを盗んだ赤沢に濡れ衣を着せられたか、赤沢を庇ったか。久世が赤沢に放った「赤沢! 俺はずっと見てるぞ」は一体何を意味するのか。窃盗事件は1999年の出来事なので、久世は2002年に起きた東賀山事件よりも前に警察を辞めている。濡れ衣を着せられたことを理由に、事件に関わっていてもおかしくはないが、もし赤沢が犯人だとしたら久世がずっと監視して、独自で真相究明に動いていそうだ。 春生に松風を弁護人として推薦したのが三木田であることも判明した。春生にとってもおそらく久世は同僚で信用のおける人物、その息子なら信頼できると思って指名したと言える。そう考えると春生が追う真犯人ではなさそうだ。 どう考えても怪しいのがカラビナ男。ラーメン屋店主の染田(酒井敏也)を薬を使って手なづけ、最後まで連絡を取り合っていた。染田は自殺のようにみえる水死体で発見されたが、警察も裏で操っている人物による他殺と判断。例え自殺だとしてもカラビナ男が追い込んだのはほぼ間違いない。染田が亡くなったことで、東賀山事件も春生殺害事件も遠藤親子の犯行ということでそのまま解決してしまう可能性が高まった。おそらくあれだけ検事の阿南由紀(瀧内公美)と行動を共にするのは、彼が検事としての師匠か父親であるとしか考えられない。もし元検事なら、力郎の冤罪の証拠をもみ消すために行動を起こしているとするのも難しい話ではない。ただ、事件の真犯人だからもみ消したいのか、冤罪の判決を下したミスをもみ消したいのかで意味合いが全く変わってくる。直接事件に関わっているのを知っていたら阿南が協力するだろうか。そこまで肩入れする理由とはいったい? また阿南のエピソードで気になるのが、友哉の弁護についた松風の画像を見て「余計なことを」と言ったこと。阿南が見ていた写真の端っこが光の反射で見えないようになっていて、松風が写っていそうな演出だが、解説放送版で「若かりし頃の検事たちとの写真を見る」とある。しかし松風には検事の経歴はない。他の人物で考えられるのは松風の幼なじみで弁護士事務所の共同経営者の波佐見(森崎ウィン)しか思い当たらないが、それを隠す必要とは? そうなると波佐見が裏でシナリオを描いていそうだ。 今のところ登場人物の中でカラビナ男の候補となる人物は、年齢的に三木田だが彼は春生によると冤罪。その他には久世、そして次回登場する、事件で力を貸すという弁護士・鳴川(間宮啓行)。春生が松風の他に傍聴していた弁護士だ。第5話のラストでカラビナ男が心麦について「確かな目と耳を使って確認しておきたくてな。あの子がどこまで話を掴んでいるのか」と言っていたタイミングで登場した鳴川は、何かを握っている可能性が高い。また波佐見との繋がりもありそうなのでやはり要注意人物だ。 また東賀山事件の被害者である林川一家についても三木田によって語られた。地元で有名な資産家で、創業者の林川明宏と乃梨子の間に一人息子の安成(野間口徹)が生まれ、里子(安藤輪子)と結婚。里子は長男・奏太の発達が遅れていることに悩み、メンタルクリニックに通院。その後、長女の音が、事件の半年前には歌が生まれる。事件後に生き残った歌は春生の冤罪リストに載っている津寺井幸太が引き取った。また資料を細かく見ると、資産管理は乃梨子がおこなっており、20億円以上とある。他にはメンタルクリニックに通っていた里子は乃梨子からプレッシャーをかけられていたこと、遺言書はないこと、歌が最優先の相続人であること、成人するまでは後見人が必要であること、急な事件であったために証拠がない、もしくは第三者が持ち去った可能性があることなどがメモに残されている。 資産目当ての親戚が犯人である線や、妻のメンタルなどいろいろな問題が重なり一家心中の可能性もある。しかし極端な話、自身の後を継ぐべき孫の長男が発達障害で将来が不安、そのプレッシャーで嫁がダメになったことで、創業者の父は跡継ぎを残すために安成に妾を勧めた可能性がある。そして生まれた子が歌となると、1人生き残れば財産を総取りできて、その面倒を見た者が遺産を手にできるとなれば犯行の理由が見えてくる。ただ、歌を引き取った津寺井幸太が20億円を管理することになるが彼は冤罪リストメンバーだ。しかし、そこから名前が心麦に変わった理由とは何か。