電動スケーター「ルール守って」 福岡で407件検挙、軽傷事故も

2024年の1年間に福岡県内で電動キックスケーターなど「特定小型原動機付自転車」の交通違反が407件検挙され、軽傷事故が3件起きたことが県警のまとめで判明した。県内では24年3月に福岡市、同10月に北九州市で電動マイクロモビリティーのシェアサービス「LUUP」(ループ)のサービス提供が始まり利用が拡大。県警などは交通ルールを守った利用を呼び掛けている。 一般的に「電動キックボード」と呼ばれる電動キックスケーターなどは、23年7月の改正道路交通法で、車体の大きさや最高時速20キロ以下などの一定基準を満たした車両が「特定小型原動機付自転車」と定められて16歳以上が運転免許なしで乗れるようになった。県警によると、23年中の検挙はなかった。 特定小型原動機付自転車は、ナンバープレートや自賠責保険は必要だが、ヘルメットの着用は自転車同様に「努力義務」とされている。最高速度を6キロ以下に設定し、緑色のライトを点滅させれば、標識などで自転車の走行が許可された歩道を通行できる。 違反で最も多かったのは歩道を時速6キロを超えて走行するなどの通行区分違反で、218件と全体の約54%を占めた。酒気帯び運転は63件で逮捕者も出ている。次いで通行禁止違反が40件。信号無視36件▽一時不停止24件▽定員外乗車違反11件――などが続く。 事故3件のうち、電動キックスケーター側が過失の重い「第1当事者」だったのは2件。最高速度6キロ以下で歩道を走行中、歩行者と衝突して転倒させ軽傷を負わせた事故と、横断歩道上で自転車と接触した事故があった。もう1件は、車道を走行中に乗用車と衝突し、電動キックスケーターの運転者が軽傷を負った事故で、車側に交通違反があった。重傷事故は起きておらず、物件事故の統計はない。 ループの利用にはアプリ内で年齢確認書類の提出や交通ルールテストの全問連続正解が必要。アプリには利用を開始する度に禁止事項が表示され、ルール違反を繰り返す利用者のアカウントは凍結される。 各市によると、23年7月以降に県内で特定小型原動機付自転車に交付されたナンバープレートは、福岡市約1500枚▽北九州市約160枚▽久留米市約80枚▽飯塚市約20枚――など(いずれも1月末現在)。 県警交通企画課は「非常に便利な乗り物で浸透してきている。利用者は、あくまで車両であるという意識を持ち、交通ルールを確認して従ってほしい」と呼び掛け「シェアリング事業者などと連携して啓発や取り締まりを続ける」としている。【成松秋穂】

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