コンクリート詰めにされた遺体が大阪府八尾市の集合住宅から見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された大阪市平野区の無職、飯森憲幸容疑者(41)が逮捕前の聴取に「姉から預かっていた娘をしつけでたたいたら、翌朝冷たくなっていた」と説明していることが3日、捜査関係者への取材でわかった。司法解剖の結果、遺体は6~7歳くらいの女児で、死因は腹部の内臓損傷だった。大阪府警は殺人や傷害致死容疑を視野に調べている。 府警によると、遺体はミイラ化しており、身長は109・5センチだった。腹部内に出血した痕跡があり、外部から強い力を加えられた可能性があるという。平成19年ごろに亡くなったとみられ、身元の特定を急いでいる。 捜査関係者によると、飯森容疑者は事件当時、母親と大阪市平野区に居住。父親(82)と姉、姉の娘は別の場所で暮らしていた。しかし、姉が家に帰ってこなくなり、父親に頼まれて飯森容疑者が姉の娘の面倒をみることになったという。 飯森容疑者は「十数年前、預かった姉の娘をたたいたら、泣きじゃくって寝た。翌朝冷たくなっていた」と説明。「父親に相談したら『コンクリート詰めにしよう』と持ちかけられたので2人でやった。服を脱がせてコンクリートで固めた」と供述したという。父親は集合住宅を退去後は施設に入所。認知症を患っているといい、府警は慎重に裏付け捜査を進める。 府警によると、父親は昨年10月に八尾市太子堂の住宅から、同市跡部本町の集合住宅に転居した。飯森容疑者は昨年11月初旬に父親の元の自宅から、集合住宅に遺体を移動させたとみられる。遺体は今年2月、集合住宅で金属製の衣装ケースにコンクリート詰めにされた状態(重さ228キロ)で発見された。 飯森容疑者と同居する内妻は「頼まれて衣装ケースを台車に積んだ。重たかったが、何が入っているかわからなかった」と話したといい、府警は事情を知らされていなかったとみている。