国の許可を得ずに「白ナンバー」のトラック(白トラ)で営業運送したとして、警視庁は、運送業の森田明(72)=千葉市花見川区=と、鋼材販売会社社長の前田政洋(45)=東京都狛江市=の両容疑者を貨物自動車運送事業法違反(無許可経営)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。いずれも容疑を認めているという。 同法は、白ナンバーで他人の荷物を有償で運ぶことを禁じている。前田容疑者が荷主として森田容疑者に配送を持ちかけていたといい、同庁によると、いわゆる「白トラ行為」で荷主が共謀で逮捕されるのは全国初とみられるという。 捜査関係者によると、2人は共謀して昨年10月25~28日、無許可で千葉県船橋市の工場から、同県浦安市内や東京都足立区の金属加工工場に鋼材を有償で運んだ疑いがある。2020年以降、茨城、長野両県など11都県の工場に鋼材を運ばせ、総額約5800万円の運送代を支払っていたという。 2人は5年ほど前に知人を介して知り合った。前田容疑者は「白トラは融通が利いて、いつでも運んでもらえた」などと話しているという。