トランプ政権、パレスチナ支持の学生抗議運動リーダーを逮捕

【AFP=時事】米移民当局は9日、パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエルの攻撃に抗議するコロンビア大学の学生リーダーを逮捕したと発表した。ドナルド・トランプ米大統領はこれに先立ち、パレスチナを支持するデモに参加する外国人学生を国外追放すると宣言していた。 米国土安全保障省(DHS)はX(旧ツイッター)への投稿で、イスラエルの戦争行為に対する抗議運動の中心人物の一人であるコロンビア大学の学生、マフムード・カリル容疑者が9日に逮捕されたと発表した。DHSは「トランプ大統領の反ユダヤ主義禁止に関する大統領令を支持し、国務省と連携して」措置を講じたとしている。 一方、コロンビア大学学生労働組合は声明で、カリル容疑者は8日に拘束されたとし、「パレスチナ出身で、コロンビア大学の最近の卒業生であり、昨春のガザ連帯キャンプにおける交渉の中心人物だった」と説明した。 ガザのイスラム組織ハマスによる2023年10月7日のイスラエル奇襲後、ニューヨークのコロンビア大学を含む米国内の大学では、イスラエルのガザ攻撃に対する学生たちの抗議運動が活発化した。また、こうしたデモは反ユダヤ主義との批判を招いた。 抗議の一部は暴力に発展。校内の建物が占拠されたり、講義が中断されたりする事態となり、イスラエルの行動に抗議する学生と、ユダヤ人を中心とする親イスラエル派の活動家が対立した。 マルコ・ルビオ国務長官はXに「米国内のハマス支持者のビザ(査証)や永住権(グリーンカード)を取り消し、彼らを追放する」と投稿した。 カリル容疑者は逮捕時に永住権を保持しており、現在も移民当局の拘留下にある。 学生労働組合によると、カリル容疑者の釈放を求める請願書には数千人が署名したという。 同組合はまた、6日と7日に「移民・関税執行局(ICE)の職員がコロンビア大学の建物、特に学部生の寮に立ち入ろうとした、または実際に立ち入ったとの複数の報告がある」とも発表した。 コロンビア大学はカリル容疑者の逮捕について直接の言及を避けた。しかし、声明の中で「キャンパス周辺でICE職員の存在が報告されている」とし、「コロンビア大学はこれまでも、これからも法律を順守する。これまでの慣例および全米の都市や機関の慣行に従い、法執行機関が大学の建物を含む非公開エリアに立ち入るには、司法令状が必要である」と述べた。 DHSはXへの投稿で、カリル容疑者が「テロ組織に指定されているハマスに関連する活動を主導した」と主張したが、具体的な詳細は明らかにしていない。【翻訳編集】 AFPBB News

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