特殊詐欺に引っかかったと犯行側に見せかけて捜査する「だまされたふり作戦」を装って、高齢女性から現金をだまし取ったとして、宮城県警泉署は12日、男を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。警察の捜査手法を逆手にとった手口とみている。 男はアルバイト高野滝容疑者(23)=神奈川県平塚市長持=で、逮捕容疑は氏名不詳者の男らと共謀して昨年7~8月、仙台市泉区の80代女性にうその電話をかけてだまし、宅配便で送らせた計1200万円の現金を受け取ったというもの。捜査に支障があるとして、署は認否を明らかにしていない。 署によると、7月22日、女性の自宅に「宮城県警察本部の小林」を名乗る男から「明日、特殊詐欺の犯人から電話がいくかもしれない」と電話があった。翌23日、別の男から「株で3千万円が必要になった」と電話があったため、女性は警察官役の男に電話で報告。男から「お金を要求されたら、だまされたふりをしてお金を渡してください。お金は後から警察が支払うので、立て替えておいてください」と言われた。 女性は7月26日~8月14日に3回、現金計1200万円を都内の集合住宅に宅配便で送付。高野容疑者は住民以外も使える宅配ボックスで荷物を受け取った「受け子」とみられる。 署は防犯カメラの映像などから容疑者の住居を特定。「だまされたふり作戦でお金を立て替えてもらうことはない」と注意を呼びかけている。(阿部育子)