13日の参院法務委員会で、無所属の鈴木宗男氏が鈴木馨祐法相(48)による11日の同委での所信表明に不満をぶつけ、「人としての矜持が必要だ」と叱咤した。 宗男氏は所信が昨年の臨時国会のものとほぼ同じで、臨時国会閉会後に法務省が公表した、再審無罪が確定した袴田巌さんの捜査や公判対応の検証結果に触れていないと指摘。「いま法務省は冤罪が多い。(今国会の)所信で検察改革や冤罪が多すぎることに対する反省や国民に対するお詫びに触れて当然だが、なぜ入っていないのか」と述べた。 鈴木法相は「検察を適正に指揮監督していくことが法相として重要な役割だ。検察への国民からの信頼が失われては成り立たないので、適正に務める」と書類に目を通しながら答弁した。 宗男氏は「なぜ入れなかったのかと聞いている。まったく反省もなければ寄り添った気持ちがない。国民感情からして入れて当然だ」と重ね、鈴木法相は「私としても至らないところがあったと思っている」と述べた。 そのうえで宗男氏は「政治家としての矜持が大事だ。あなたに期待しているところがある」として鈴木法相に語りかけた。「戦後、保守合同になってから70年、30代の大臣は6人いる。みんなそれぞれの地位にいった。40代の大臣は74人で、あなたもその一人だ」と話し、鈴木法相はうなずきながら聞いていた。宗男氏は「森(喜朗元首相)先生もそうだ。鈴木宗男も40代で入閣を果たした。それなりの経験を積んだ。たまたま小泉(純一郎元首相)とぶつかったから逮捕までされたが」と笑いを誘い、鈴木法相に向けて「将来があるのだから、しっかりと声なき声を聞かなければいけない。役所の答弁をペラペラ読んでも意味がない。人としての矜持が必要だ」と訴えた。