死者14人、負傷者約6300人を出した地下鉄サリン事件。1995年3月20日、午前8時15分ごろに起きた、一般市民に対して都心で化学兵器が使われたテロ事件は世界を震撼させた。犯行に及んだのは、当時勢力を拡大していた新興宗教団体「オウム真理教」だ。この事件を未然に防げなかったと後悔するのが当時、警察庁の最高幹部である刑事局長だった垣見隆さんだ。「もうちょっと早い段階での捜索実施に踏み切ることができなかったのか。大きな反省点です」。 麻原彰晃元死刑囚を教祖とし、多い時には1万人を超える信者を抱えたオウム真理教は「救済」という教義のもとに、暴力さえも肯定。徐々に教団の武力化も進めていた中、オウム真理教を止めることができなかったのか、という疑問に答えた証言が今、注目されている。先月発売された「地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか―元警察庁刑事局長30年後の証言」の著者でもある垣見さんは、この中でもオウム真理教と犯行に使われたサリンとの関係をいち早く掴んでいたと語っている。「ABEMA Prime」では、当時から事件を取材している人々とともに、改めて地下鉄サリン事件、さらにはオウム真理教とは何だったのかを振り返った。