業者の選定を有利に進めた見返りに70万円を受け取ったとして、独立行政法人国立病院機構の元職員の男が、収賄容疑で逮捕されました。
逮捕されたのは、大阪府豊中市の「大阪刀根山医療センター」事務部企画課の係長を務めていた、衣斐雄介容疑者(32)です。
衣斐容疑者は、センターに勤務していた2021年10月ごろ、取引先業者の物品購入に関する契約を有利に進めた見返りに、業者側から現金70万円を受け取った疑いが持たれています。
業者は、文房具や事務用品を販売している大阪市中央区の「株式会社坂東」で、警察は取締役の坂東忠容疑者(51)についても、贈賄容疑で逮捕しました。
警察はいずれの認否も明らかにしていません。
警察によりますと、この「70万円」は少なくとも数百万円の備品の購入に関わる契約の謝礼だったということで、ほかの契約でも便宜を受けたいという意図があったとみられています。
衣斐容疑者が企画課に勤務していた2020年4月からの2年間で、「坂東」との間に数千万円分の契約があったといい、警察は衣斐容疑者の関与の有無について詳しく調べています。
「大阪刀根山医療センター」は独立行政法人国立病院機構の医療機関で、職員は「みなし公務員」にあたります。
衣斐容疑者は、2022年7月に退職したということです。