元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が10日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜後1・55)にリモートで生出演し、静岡県島田市の病院で看護師に軽傷を負わせたとして、傷害の疑いで逮捕された女優の広末涼子容疑者(44)が、搬送前に起こした交通事故について解説した。 広末容疑者は7日午後、新東名高速道路の上り線を運転中、前を走る大型トレーラーに追突。広末容疑者自身と同乗者、トレーラーの運転手がケガを負った。静岡県警はこの日午前、危険運転致傷の疑いで、東京都内にある広末容疑者の自宅を家宅捜索した。 事故とその後に起きた傷害事件について、若狭氏は「基本的には2つは別々の事件」と前置き。「今朝こういう形で、危険運転致傷罪で家宅捜索したということは、捜査当局としては、捜査の重点としては危険運転致傷罪が立件できるかどうか、その事実で責任追及できるかというところに重点がシフトしてきたということが言えると思う」と自身の見立てを語った。 番組では、危険運転致死傷罪についてフリップを使って説明した。量刑の上限は懲役20年で、事故によって人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役、ケガをさせた場合は15年以下の懲役。また、危険運転致死傷罪の該当要件の一例として、アルコールまたは薬物の影響で運転困難であること、制御困難な高速度での運転、無技能、あおり運転などの妨害運転、ことさら信号無視、通行禁止道路の進行などを挙げた。 MCのフリーアナウンサー宮根誠司は、その量刑に注目し、「危険運転致傷罪だと、ケガさせた場合は15年以内の懲役ということですけど、罰金ということが書いていない。実刑ありうるってことですか?」と尋ねた。 若狭氏は「成立すると基本的には実刑で、かなり厳しい犯罪とされています」として説明。一方で、危険運転と認定するには高いハードルがあるといい、「過失運転というのは過失、運転ミスで起こるんですが、危険運転というのは薬物の影響できちんとした運転ができないと分かっていながら、それでも運転したと。危険性を認識しながら運転していたという点が認められないと、危険運転致傷罪には当たらない」と解説した。