「男性がよく間違えて訪ねてくる」…大阪で住民の通報から発覚した”中華マンション”売春の実態

3月10日、大阪府警は羽曳野市のマンションの一室を売春の場として提供したとして、売春防止法違反等の疑いで千葉県市川市の男性を逮捕した。また、このマンション内で性的サービスを行っていたとみられるタイ国籍の女性も風営法違反容疑で逮捕している。 捜査関係者によると別棟のマンションの同じ部屋番号の住民から「男性がよく間違えて訪ねてくる」という相談があったことから発覚した。売春の売り上げの一部が最終的に中国本土に送られていた可能性があり、府警は中国人による売春組織が関与している疑いがあるとみているようだ。 マンションの一室を舞台に秘密裏に営業している“裏風俗店”は他にも存在する。ネットの匿名掲示板でたびたび話題になっている『X』と呼ばれるサイトもその一つで、ネット上で集客を行っているようだ。 ◆『X』とはどういったサイトなのか このサイトで紹介されているのは、日本全国、北海道から沖縄までの「中華マンション」と呼ばれる場所だ。「中華マンション」とは、アジア系の売春婦が滞在しているマンションを指し、風俗マニアの間で広まっている”通称”だ。 『X』はネット検索しても出て来ないため、サイトにたどり着くにはURLを打ち込む必要がある。トップページにはパスワードを入力する必要があり、簡単には入れないようになっている。 ログインすると、トップページにはずらりと全国の都道府県名が表示され、一見、ひと昔前の出会い系サイトのようだ。サイトはシンプルで“お店感”はない。都道府県名をクリックすると、女性の顔写真やスリーサイズ、最寄りの住所等が記される。ここで女性を選択し、掲載されているカカオトークやLINEのIDへ連絡することで予約できるシステムだ。 『X』を利用したことがあるというIさんに話を聞いた。 「パスワードはネット上のあるサイトなどにたまに書かれています。サイトに入って、遊びたい女性を選んで、カカオトークで連絡すると、マンションの場所と名前が送られ、そこに到着したことを伝えると部屋番号が送られるシステムです。 実際に部屋に行って、女性が自分の好みでなければキャンセルすることもできます。マンションの部屋の前に行って、『すみません』と断りを入れるだけです。実物を見て判断ができるのは、こういった店では珍しいですね」 連絡に用いられるカカオトークのIDは一つしかなく、全国どの地域でも同じ。料金も一律だ。運営も同じ全国的な組織なのか、連絡だけを請け負っているのか。 ◆マンション内で行われている”サービス” この裏風俗は形態としては「一発屋」や「ちょんの間」と呼ばれているものだ。2年前から『X』を利用しているKさんはマンション内で行われているサービスの内容について語る。 「部屋は普通のマンションの一室です。部屋の中は多少風俗っぽい、暗めの照明だったり、色のついたライトに変わっていることもあります。 部屋の構造は6畳前後のワンルームを想像してください。生活感はあまりなく、布団が敷かれているだけで、いかにも『ちょんの間』という雰囲気です。部屋にもよりますが、私物を持ち込んでいる女性もいて、少し乱雑な印象を受ける部屋もあったりします」 店舗型風俗店とは違い殺風景で、性交渉をするためだけの部屋という印象が強かったとのことだ。 「料金は先払いで、30分1万円でゴムありでの接客です。この店を利用して長いですが、日本人に出会ったことはありません。フィリピン、タイ、ベトナムといったアジア系が多く、日本語が少し通じる程度です。普通の店と違う点は、やることをやったらすぐに帰ることになり、かなりビジネスライクな印象。とりあえず短時間で遊べる風俗といった感じですね」(Kさん) 『X』では数週間、短いと数日のうちに新しいマンションと女性の写真が追加され、人の流動性はかなり高そうだ。IさんやKさんの話では部屋は普通の住宅街にある普通のマンションの一室だという。羽曳野市の例のように住民に怪しまれる前に、場所も移動しているのだろう。 普通のマンションの一室で、このような売春が行われている事実は驚くべきことだ。もしかするとわれわれの身近な場所でも、こういった売春が行われているのかもしれない。

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