(CNN) 13歳の時にイスラエルで逮捕され、刑務所に10年近く収監されていたパレスチナ人の男性が、10日に釈放されて家族との再会を果たした。 弁護士によると、釈放されたのはアフマド・マナスラさん。家族が歓迎会を開いたり、マナスラさんがメディアの取材に応じたりすることに対しては、イスラエルが制限を課しているという。 マナスラさんは2015年、いとこのハッサンさんが東エルサレムでイスラエル人2人を刃物で刺した事件に関連して逮捕された。 ハッサンさんは現場で射殺され、マナスラさんは車にひかれた。 この事件は、重傷を負って動けないまま泣き叫ぶマナスラさんに対して集まった人たちが罵声を浴びせる映像が出回ったことで、国際的な注目を浴びた。支援団体によると、イスラエル当局による取り調べの様子とされる別の映像では、弱り切ったマナスラさんがガタガタ震えながら過酷な尋問を受けていた。 イスラエルの裁判所は、刃物による襲撃にマナスラさんは関与していなかったと認めながら、殺人未遂で禁錮12年を言い渡した。2017年には控訴を受けて刑期が9年半に減刑された。 マナスラさんの処遇に対する懸念や長期間の独房への収監、精神衛生問題や統合失調症の診断をめぐり、国際団体はイスラエルに対して何度もマナスラさんの釈放を求めていた。 弁護士はマナスラさんについて「頭部を負傷し、子どもだった時に独房に入れられて過酷な尋問を受けたことから、身体的にも精神的にも非常に困難な状態にある」と指摘する。 イスラエルの刑務当局はマナスラさんが10日に釈放されたことを確認し、「イスラエルは法治国家であり、拷問は行わない」と付け加えた。