尹前大統領、憲法裁の判断もすべて否定し93分間にわたり「詭弁」並べ立て

14日、被告として初めて刑事裁判に出席した尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領は、79分間の冒頭陳述と計14分間の裁判に関する意見陳述など、93分間にわたり堂々と自由に自分の意見を述べた。検察捜査と憲法裁判所の判断を完全に否定し、裁判進行に関する不満もあらわにした。 捜査と弾劾審判で内乱事件の輪郭が明確になったが、尹前大統領は全力でそれを否定した。尹前大統領は「弾劾審判の過程でも、捜査機関(で行った関係者)の供述が多く弾劾され、実体が明らかになった」とし、「初期の『内乱攻勢』の過程で怯えた人たちが捜査機関の誘導によって供述したものが、検証されず(公訴事実に)反映された」と述べた。また、昨年3月から尹前大統領が非常大権に言及したという軍司令官の供述が確保されたが、これについて「戒厳の事前謀議と言って2024年春から構想を練ってきたということ自体が、本当にコメディのような話」だと強弁した。「早く国会のドアを壊して入り、人員を引きずり出せ」と指示したというクァク・チョングン前特殊戦司令官の証言についても、尹前大統領は「『人員』は軍人が使う言葉であり、大統領がどうやって人員を引きずり出せと言えるだろうか」とし、「(最大野党)共に民主党の議員たちに歪曲・捏造された内容を聞かされたあまり、法廷でも(クァク前司令官の)口からそのまま出てきて、多くの人々の失笑を買った」と主張した。 尹前大統領は、非常戒厳当日にホン・ジャンウォン前国家情報院第1次長に対し政治家を逮捕するよう指示するためではなく、激励の意味で電話した、という主張を、刑事裁判でも繰り返した。尹前大統領は「これまで通り、国家情報院に防諜司令部を助けるべきという話をしただけで、誰かを逮捕しろと語ったというのは全て真っ赤な嘘」だとし、「私が誰かを逮捕するよう指示したかのようにでっち上げたものであり、この嘘は憲法裁で詳しく明らかになった」とも語った。「戒厳宣言直後の緊迫した状況で単純な激励のため、またはスパイ捜査業務と関連した一般的指示をしようとしたという被請求人(尹錫悦)の主張は信じ難い」という憲法裁の判断まで否定したわけだ。 尹前大統領は、非常戒厳の黒幕とされるノ・サンウォン元情報司令官について、「全く知らない」と述べ、軍を動員して選挙管理委員会を強制捜索したことを令状主義違反だという公訴事実については、「国家公共機関は令状なしでも入れる」と強弁した。尹前大統領は「国民の目線に合う戦時・事変でないかぎり、戒厳宣布が全て内乱ということなのか」と問い返し、「(控訴状は)ただ調書をモザイク式に継ぎはぎしたもの」だと述べた。 ソウル中央地裁刑事25部のチ・グィヨン部長判事は、尹前大統領の発言が長引くと、「検察側で発言に使った時間だけ与えられる。(発言時間の調節を)念頭に置いてほしい」と述べたが、尹前大統領は発言権を得て発言を続けた。同日の裁判で、チョ・ソンヒョン首都防衛司令部第1警備団長とキム・ヒョンギ特殊戦司令部特戦大隊長など、自分に不利な供述が予想される佐官級の軍人たちが証人として出席したことに対し、尹前大統領は「憲法裁ですでに尋問を終えたのに、(検察が)自分たちに有利だとして今日あえて出席させたのは、証人申請の順序において多分に政治的な意図があるのではないか」と不満をあらわにした。 キム・ジウン、チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ [email protected] )

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