警察署から出てくる1台の警察車両の後部座席に乗っていたのは、さいたま市で高校1年の手柄玲奈さん(15)を殺害した疑いで逮捕された谷内寛幸容疑者(24)です。 包帯が巻かれた手を組み、じっと前を見つめる谷内容疑者。 16日朝、殺人の疑いで検察に身柄を送られました。 14日夜、外出先から1人で帰宅した際に襲われたとみられる手柄さん。 15日までに行われた司法解剖により、手柄さんの死因は上半身を刺されたことによる臓器損傷とみられることが分かりました。 手柄さんと同じマンションの住人は、手柄さんの印象を「こちらから挨拶をするとニコッと返してくれる子でした。何カ月か前にお会いしたときに大きくなったなという印象がありました」と話します。 この住人は、事件発生直後の現場も目にしていました。 同じマンションの住人: ちょっとショッキングだったので、あまり凝視はできなかったんですけど、血まみれだったところを見てびっくりした。 事件発生から2日が経った16日も現場では花を手向けに訪れる人の姿が見られました。 この春、高校に入学したばかりだった手柄さん。 小学校時代の同級生は、その人柄を「結構友達も多くてにぎやかな子でした。明るい感じです。お好み焼き食いにいったりしてました。中学校だと確かバスケやってましたよ」「(Q.トラブルに巻き込まれる何か思い当たることは?)ないですね」と話します。 一体なぜ家の目の前で突然襲われたのでしょうか。 谷内容疑者については新たに分かったことがあります。 谷内容疑者の勤務先は、現場から500メートルほど離れた建設会社でした。 取材に応じた会社の社長は、谷内容疑者の勤務態度について「真面目で一日も休まないし、仕事じゃない仕事、例えば寮の中の清掃とかそういうこともきちんとやる子だった」と明かしました。 この会社に勤め始めたのは2024年10月ごろで、事件当日も働いていたといいます。 谷内容疑者の勤務先の社長: 夕方5時に私が声をかけたんだけど、食事済ましたかって(聞いたら)、食事済ましたって。じゃあちょっと甘いお酒を一杯飲むかって言ったら、いや、きょうは結構ですというような言い方をして。とてもその日に事件を起こすような雰囲気は全然なかった。 社長によると、谷内容疑者が会社を出たのは社長と言葉を交わしてから1時間半後の午後6時半ごろ。 事件が起きたのは、それから1時間40分ほどあとの午後8時15分過ぎのことでした。 しかし、谷内容疑者が現場マンションのエントランス付近で待ち伏せしていたのか。 それとも手柄さんのあとをつけて犯行に及んだのかなど、詳しい経緯は分かっていません。 警察は、谷内容疑者が現場付近に土地勘があったとみて調べるとともに、2人の接点についても慎重に調べを進めています。