大阪府の咲洲庁舎で営業していたホテルに対し大阪地方裁判所は21日、破産手続き開始決定の通知を出しました。 ホテルの社長らは去年12月、強制執行を免れる目的で資産を隠したとして執行猶予付きの有罪判決を受けていました。 大阪地裁が破産手続き開始決定の通知を出したのは、大阪府の咲洲庁舎で去年10月まで営業していた「さきしまコスモタワーホテル」です。 2019年に咲洲庁舎の一部フロアを改装してオープンしたホテルですが、大阪府などによると、オープンから10カ月後には月額およそ3500万円の賃料などを滞納するようになったということです。 大阪府は、ホテル側に対して賃料の支払いと立ち退きを求めて訴えを起こし、去年6月、およそ26億円の支払いと立ち退きを命じる大阪高裁の判決が確定していました。 さらに去年8月、ホテル社長の男ら2人がこの判決によってホテル側の資産が差し押さえられるのを免れるため資産を隠したとして逮捕され、去年12月、2人に執行猶予付きの有罪判決が出ています。 大阪府によると、府はホテルなどにあわせておよそ43億円の債権があり、資産の差し押さえなどを行った結果、現時点でこのうちおよそ16億7000万円を回収できたということです。 しかし、残りの26億3000万円ほどが回収できていないことから、ことし2月、債権者による破産の申立てを行い、21日、大阪地裁からホテルに対する破産手続き開始決定の通知を受けたということです。 大阪地裁は去年12月、ホテルを運営していた「さきしまコスモタワーホテル開発」について、破産手続き開始決定の通知を出しています。