アスキーを創業し、米Microsoftの副社長を務め、MSXの生みの親としても知られる西和彦さんが4月23日、自身のXアカウントで破産手続きが終了したと報告した。約115億円が免責されたという。 西さんは、連帯保証していたアスペクト(アスキーから独立した出版社、現在は廃業)の債務保証3億円、アスキーを退任するときに引き継いだ不良債権の40億円分と、その金利を合わせて約115の債務を抱えていた。2023年に債権者から第三者破産を申し立てられ、同年3月に破産手続きが始まった。 免責が決まったのは今年2月4日で、債権者などからの異議申し立てはなかったという。4月21日に官報で破産手続きの終了が公示されたため、今回、自身の言葉で説明したとみられる。 西さんは「コンビニで150円のおにぎりを万引きしたら逮捕される今日、115億円の借金の踏み倒しは到底ゆるされることではありません。日本の国から賜ったこの免責のお返しは私ののこりの一生をかけて、生きている限り償っていかなければなりません」(原文ママ)として、今後は個人の収入から20%を教育関係の援助や寄付にあてること、そして現在、取り組んでいる「日本先端工科大学(仮称)」の設立に注力する考えを示した。 日本先端工科大学(仮称)は、グローバルで活躍できる“本物の技術者”の育成を掲げ、2026年4月の開学を目指している。西さんはこれを「私の人生の最後のご奉公」だという。「稼いでそのお金を旧債務者に返すことももはや叶わなくなりました。私が仕事を通して稼いで返す先は世間様です。私の専門を通してそれを実行して参る所存です」。 なお破産の顛末は、執筆中の書籍「反省記2」にまとめる考え。「これからも教育という公的な仕事に携わろうとする者として、透明性を持たなければならないと思うからです」としている。