香川県で悪徳訪問販売の相談が急増しています。実際に被害も確認されていて、警察は「安易に自宅に入れないで」などと注意を呼び掛けています。 ■「分電盤を交換すると電気代が安くなる」 その場で11万円を 「突然来てお宅のアンテナを(替えませんか)みんな近所周りが替えていると言って1件は壁を塗り替えませんかと」 (記者)「何回か来たんですか?」 「3回は来ました」 「電話はかかって、いろいろ」 (記者)「どんな電話がかかってきますか」 「『不用品はありませんか』もう留守電にしているから出ないです」 「ピンポンピンポンはしょっちゅう押されます。質問みたいなことを仰ってね、電気代はいくらですかとかね」 今、誰もが被害者になりかねない悪質な訪問販売が増えているというのです。 (香川県警 生活安全捜査課 真柴一朗次長) 「自宅の点検を装った訪問販売の手口の相談が急激に増えています」 香川県警は、先週、詐欺の疑いで東京に住む無職の男2人を逮捕しました。 2人は昨年8月、愛媛県内の女性の家を訪問し、「分電盤を交換すると電気代が安くなる」などとうそを言い、交換工事をするつもりがないのにその場で現金11万円をだまし取った疑いです。 ■これも「匿名・流動型犯罪グループ」による犯行なのか 同様の被害は、香川県内でも複数確認されています。 警察は、SNSや求人サイトなどで実行犯を募り、匿名性の高い通信手段で繋がったメンバーが特殊詐欺や強盗など様々な犯罪に関与する「匿名・流動型犯罪グループ」いわゆる「トクリュウ」によるものとみて捜査を進めています。 (香川県警 生活安全捜査課 真柴一朗次長) 「SNSの台頭がありまして、犯罪者が全国的にひとつのグループを作っているというのも背景にはあるのではないか、家が傾いている、壁が崩れるかもしれない、屋根瓦が壊れているとか、いろいろな話を持って来る」 香川県では昨年、悪質な訪問販売や通信販売などに関する相談が急増しました。中でも訪問販売の相談は76件と、前の年の約7倍になっています。相談者の過半数が65歳以上でした。金銭を支払ってから相談までに1か月以上かかった人もいたといいます。