「神奈川県警に対応調査を指導」 川崎の死体遺棄事件で警察庁長官

川崎市の住宅で岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)が遺体で見つかり、元交際相手の白井秀征(ひでゆき)容疑者(27)が死体遺棄容疑で逮捕された事件について、警察庁の楠芳伸長官は8日の定例記者会見で、神奈川県警に対し、一連の対応状況を調査するよう指導する考えを示した。 岡崎さんや家族は昨年6月以降、白井容疑者による暴力や待ち伏せなどについて川崎臨港署に繰り返し相談し、12月には、自宅付近でうろついていることなどを連絡していた。 楠長官は、県警から「その都度対応してきたが、結果としてこのような重大な事案となったことを重く受け止めており、今後の捜査を通じて改善すべき点がなかったかを確認していく」との報告を受けたと説明した。 ストーカーなどの人身安全関連事案について、「認知段階では危険性や切迫性の把握が困難な一方、事態が急展開して重大事件に発展する恐れが極めて高いため、相談者らの心情に寄り添って対応し、被害者らの安全確保を最優先に対処することが肝要だ」と指摘。こうした考え方をもとに警察庁は、人身安全関連事案の対応について都道府県警へ通達で指示してきていると説明した。 その上で、神奈川県警に対し、事案の全容解明にむけ捜査を尽くすほか、こうした考え方にそった対応が行われていたか徹底して確認するよう指導する考えを述べた。 同県警は3日、一連の対応について「必要な措置を行ってきた」と説明。「捜査で一連の経緯を含め事案の全容を明らかにし、さらに改善すべき点があったかどうかは今後確認していきたい」と話した。(編集委員・吉田伸八)

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