安倍晋三元首相の銃撃事件で殺人や銃刀法違反などの罪に問われている山上徹也被告(44)の裁判員裁判について、奈良地裁が、初公判を10月28日に開く案を検察と弁護団に示したことが関係者への取材でわかった。 年内に審理を終え、来年1月にも判決を言い渡す方向で日程調整が進んでいるとみられる。 山上被告は2022年7月に選挙応援中の安倍元首相を手製銃で撃ったとして逮捕され、23年3月までに起訴された。争点や証拠を整理する公判前整理手続きが同年10月に始まったが、平均11カ月ほどで終わる手続きが長期化し、公判日程は決まっていない。 関係者によると長期化の要因は、被告の家族が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に献金して自己破産した影響を争点にするかどうかで協議が難航したことや、地裁の警備の問題だった。