不正に入手したクレジットカード情報で大量のたばこを購入したとして、警視庁は、いずれもベトナム国籍で20代の男女4人と、コンビニ店オーナー宇賀神光由容疑者(50)=東京都渋谷区=を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕し、15日に発表した。いずれの認否も明らかにしていない。宇賀神容疑者が経営する店で、ベトナム国籍の4人がたばこの不正購入を繰り返していたという。 犯罪収益対策課によると、5人は何者かと共謀して昨年11月8~10日、東京都新宿区の「ローソン歌舞伎町二丁目西」で、他人のクレカ情報をひもづけたスマートフォンの電子決済サービス「アップルペイ」で、加熱式たばこ計2823箱(163万7340円)を購入した疑いがある。 これらクレカ情報は、カード会社の偽サイトで暗証番号を利用者に入力させる「フィッシング」などで盗んだ可能性がある。 ■上限ギリギリで決済 また、ベトナム人らは一定の金額以下であればカード会社に照会をかけずに支払いできる「オフライン取引」を悪用。不正利用されたカードは、オフライン取引の上限が当時1万円で、グループは1箱580円のたばこを17箱購入して計9860円の決済を同店で何度も繰り返していたという。 警視庁は、このグループが昨年5~11月に同店で約1億円分のたばこを転売目的で購入したとみている。(三井新) 犯罪グループが不正に入手したクレジットカード情報を使い、コンビニで大量のたばこを購入する事件は各地で相次ぐ。 ■レジ内やバックヤードにも立ち入り 今回の事件では、コンビニ店オーナーの男が不正購入の「舞台」として自身の店を提供していた疑いが浮上した。捜査関係者によると、逮捕されたベトナム人らは、レジカウンター内に入ったり、バックヤードからたばこを持ち出したりして大量に購入していた。深夜に3時間ほど店内に滞在していたこともあったという。