暗号資産(コイン)取引をしようと提案して韓国人の男性をホテルに呼び出して襲撃した後、現金約10億ウォン(約1億円)を強奪しようとした疑いで、警察がロシア国籍の男らを追跡している。 警察によると、ソウル江西(カンソ)警察署はロシア国籍のAら外国人の男3人を強盗傷害容疑で追跡している。Aらは20日午後、ソウル江西区のあるホテルの客室で韓国人の男性2人を鈍器で殴り、現金10億ウォンを奪い取ろうとした疑い。 Aらはコインの対面(P2P)取引をしようと提案し、被害者を含む韓国人の男性らを自分たちがいるホテルに呼んだという。ホテルに到着した10人のうち8人はロビーで待ち、2人だけが客室に行ったことが調査で分かった。 私製の防刃ベストなどを着用したAらは、被害者が客室の中に入ると2人に襲いかかったという。Aらはモデルガンで被害者を脅し、ケーブルタイで被害者の両手を縛った後、三段式警棒と素手で殴ったことが確認された。 被害者の1人はケーブルタイを切って逃走し、ロビーにいた他のコイン購買者に助けを求めた。Aらは購買者が用意してきた現金10億ウォンが入ったカバンを奪おうとしたが、別の購買者が阻止すると、そのまま逃げた。 警察は午後8時30分ごろ「ホテルのロビーで男性が血を流している」という通報を受けて出動した。警察はAらがいたホテルの客室から紙幣計数機と私製防刃ベスト、モデルガン、三段式警棒を発見した。被害者はソウルのある大学病院に搬送され、治療を受けている。 警察はホテルの客室予約者名で登録されたロシア国籍の男などAらに対して出国禁止命令を申請し、追跡している。警察関係者は「容疑者を検挙した後、犯行の動機および共犯の有無などを捜査する計画」と説明した。 一方、最近ソウル江南区(カンナムグ)など一帯でコイン対面取引を提案する現金恐喝事件が増えている。コインを売ると言って被害者を誘引した後、強盗行為をするケースが多い。2月にはソウル瑞草洞(ソチョドン)で5億ウォン相当の暗号資産対面取引過程で取引代金を渡さず逃げた一党が警察に捕まった。昨年3月には江南区駅三洞(ヨクサムドン)一帯でもステーブルコインの一種「テザーコイン(USDT)」を取引しようと言って被害者を呼び出し、現金1億ウォンを奪って逃げた一党が特殊強盗容疑で警察に逮捕された。 コイン対面取引は0.05-0.2%のコイン取引所手数料を避けることができるという利点があるが、売買双方に巨額取引記録が残らないためマネーロンダリング(資金洗浄)目的で活用されることもある。