【AFP=時事】米中西部ミネソタ州で14日、民主党の州議会議員2人とその配偶者の計4人がそれぞれ自宅で銃撃され、メリッサ・ホートマン州下院議員と夫の2人が死亡した事件で、銃撃犯を追う米連邦捜査局(FBI)と現地警察は15日、大規模な捜索を行った。関係当局は今回の事件を政治的動機による犯行と見ている。 ミネアポリス郊外で14日未明に発生した事件の実行犯とされるバンス・ボールター容疑者(57)の追跡は、車両の発見を契機に、ミネアポリス南西に位置する地方部シブリー郡に集中している。 ミネソタ州犯罪捜査局は15日夕方の会見で「警官100人以上と多数のSWATチームが同地域で容疑者を捜索している」と述べた。容疑者が支援を受けている可能性については「すべての選択肢が考えられる」と回答した。 容疑者の逮捕および有罪判決につながる情報には、5万ドル(約720万円)の報奨金が提示されている。 ボールター容疑者は14日未明、警官に変装して、民主党のホートマン州下院議員の自宅で、議員とその夫を射殺したとされる。駆けつけた警官と銃撃戦となった後、容疑者は車両を残し、徒歩で逃走した。 また容疑者はホートマン氏を襲撃する前に、同じく民主党のジョン・ホフマン州上院議員とその妻も銃撃、負傷させたとされる。 民主党のエイミー・クロブシャー上院議員のX(旧ツイッター)への投稿によれば、ホフマン議員の妻は、議員が9回、自らは8回撃たれたと述べている。 容疑者が残した車両の中からは、他の議員らの名前が記された「標的リスト」が見つかった。 クロブシャー氏は「これは政治的動機による犯行だ。リストに記載されていた団体や、私が聞いた限りでは、書き残されていた内容からしても、一貫して中絶に関する言及があった。それが動機の一つだったことは明らかだ」と述べた。 地元メディアによると、2019年から2025年1月までミネソタ州下院議長を務めたホートマン氏は、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)を保護する州法の立法に尽力していた。【翻訳編集】 AFPBB News