ミネソタ州議員銃撃、容疑者を起訴 事件当日、別の2議員宅も訪問

米中西部ミネソタ州で民主党所属の州議会議員2人とその配偶者の計4人が2カ所で銃撃され死傷した事件で、米司法省は15日、バンス・ボールター容疑者(57)を殺人などの容疑で訴追した。有罪となれば、最高で死刑が科される。 捜査当局は16日に記者会見し、ボールター容疑者が事件当時、他にも別の州議員2人の自宅を訪れていたと明かした。 米メディアの報道では、容疑者の関係先からは、人工妊娠中絶の権利を擁護する人たちや医療施設に関する情報などが記載された複数のノートが見つかった。当局が事件との関連を調べているという。 捜査当局によると、ボールター容疑者は14日未明、シリコーン製のマスクを装着し、ジョン・ホフマン州上院議員の自宅玄関前で「警察だ。ドアを開けろ」と繰り返し要求した。ホフマン氏と妻がマスクに気付いて偽の警察官だと指摘すると、容疑者は「強盗だ」と叫んで複数回発砲し、2人に重傷を負わせたという。 その後、ある州下院議員の自宅を訪ねたが不在で、別の州上院議員の自宅前へ向かった。ここでは、ホフマン氏宅の事件で周囲の警戒に訪れていた治安当局者とすれ違ったという。 さらに、14日午前2時35分ごろ、治安当局者がメリッサ・ホートマン州下院議員の自宅に着くと、ボールター容疑者が発砲しながら内部へ侵入するところだった。容疑者はホートマン氏とその夫を殺害し、車を乗り捨てたまま逃走した。15日夜、殺人などの容疑で逮捕された。 車内には、主に民主党に所属する連邦・州議員45人の名前や住所が記された手書きのノートが残されていたという。捜査当局は「政治的な(動機に基づく)暗殺」だとしているが、動機の詳細は捜査中としている。【ワシントン金寿英】

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