坂東市汚職 職員逮捕から1週間 別の不祥事でも懲戒処分判明 市、チェック体制強化へ 茨城

茨城県坂東市が発注する下水道工事の随意契約を巡る汚職事件は、市道路建設課主査の男(52)が収賄の疑いで逮捕されてから23日で1週間となった。男は逮捕前、周囲に金品の授受を認めていたといい、別の不祥事で懲戒処分を受けていたことも判明。県警は事件の全容解明を急ぐとともに余罪の有無も調べる。 男は市下水道課に勤務していた昨年12月までの1年半の間に、工事を発注する際、特定の業者が受注できるよう業者側に事前に設計金額などの情報を提供。謝礼として現金3万円や中古車、温水洗浄便座など時価合計27万2100円相当を受け取った疑いがある。 「仕事熱心で真面目な人」。男を知る市内の水道業者や市関係者からは驚きの声が上がる一方、以前から業者との癒着をいぶかしむ見方もあったという。市発注工事で、入札を行わずに特定業者を指定する随意契約が「あまりに多すぎる」といった不満も出ていた。 贈賄側の市内業者の契約実績は、男が下水道課に着任して以降は大幅に増えていたといい、県警は男がいつ頃から業者に便宜を図っていたかなどを調べる。 市によると、技術系の職員は不足しており、事件当時、下水道課の技術職は男のみで、実質的に1人で契約金額などを決める立場にあった。市は契約時のチェック機能に問題があったとして体制を強化するとしている。 男は逮捕の約1カ月前、周囲に「車や金をもらってしまった」と伝えていた。少年野球の審判としても活動していた。関係者によると、管轄外にもかかわらず野球場の剪定(せんてい)作業を業者に依頼するなど複数の不適切な行為が確認されたとして、今年3月に戒告の懲戒処分を受けていたという。

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