小学校の学校給食に使われる鶏肉を「国産」と偽って外国産を混入させていたとして、警視庁は、食肉販売業者「並木商店」（東京都新宿区）役員の並木建造（41）と、食肉加工会社「MRフーズ」（同小平市、現在廃業）前代表取締役の木村耕治（44）の両容疑者を不正競争防止法違反（誤認惹起）容疑で逮捕し、27日発表した。2人の認否を明らかにしていない。法人としての並木商店と、MRフーズで食肉加工を担当していた女（44）も同容疑で書類送検した。 並木商店は朝日新聞の取材に、「MRフーズからは国産の料金で見積もりを受けて納品されていた。それを信用していた」と話した。 生活経済課によると、2人の逮捕容疑は昨年11月、共謀して、納品書に「産地宮崎県産」などと記載し、府中市立学校給食センターに計3回約211キロ（29万5400円）の外国産が混入した鶏肉を納入したというもの。 ■「国産と偽っている」寄せられた情報提供 市から契約された並木容疑者が、木村容疑者に鶏肉の調達を発注。両者は2021年7月～24年12月の間の36か月間にも鶏肉を納品しており、同課は仕入れた外国産を国産と偽った納入を繰り返していたとみている。 同課によると、「外国産を国産と偽っている」といった情報提供が昨年11月に市や警視庁に寄せられた。市が納品された鶏肉の遺伝子検査をしたところ、南米や東南アジア産の可能性が高いと判明。2人の関係先から資料を押収していた。 市などによると、給食用食材の納入業者は、毎月入札で選定していた。産地偽装された鶏肉はもち入りスープや野菜の味噌汁として提供されていたが、安全性に問題はなく、食べた児童らの健康被害は確認されていないという。高野律雄市長は「誠に遺憾で、重く受け止めている。監視体制の強化を図り、再発防止に努める」とコメントを出した。（太田原奈都乃）