イスラエルによるイラン政治犯刑務所への空爆で71人死亡 攻撃直後の映像入手

今月23日にイスラエルが、イランの首都テヘラン郊外にあるエヴィーン刑務所に対して行った攻撃で71人が死亡したと、イラン司法当局が29日明らかにした。ロイターは、攻撃直後のエヴィーン刑務所を撮影した映像を入手した。 映像は、攻撃直後のエヴィーン刑務所。ロイターはこの映像を独自に検証した。同刑務所は、テヘランで最も悪名高い政治犯用刑務所として知られる。 イスラエルは、12日間に及んだイランとの紛争で、この刑務所を空爆した。当初標的は軍事や核関連の施設が中心だったが、この空爆により体制の中枢にも標的を広げているのではとの憶測を招いた。標的には民兵組織バシジの本部と、エヴィーン刑務所が含まれていた。この攻撃と同日、トランプ米大統領が両国の停戦を発表した。 イラン司法当局は、次のような声明を発表。「71人が殉教した。この中には刑務所職員、兵役中の若者、被拘束者、面会に来ていた家族、刑務所周辺の住民も含まれていた」 エヴィーン刑務所には、3年間拘束されている2人のフランス人を含む、複数の外国籍者が収容されている。イスラエルによる攻撃後、フランスのバロ外相はXに投稿。「この攻撃は被拘束者を危険にさらすものであり、到底容認できない」と述べた。 イスラエル国内や海外に亡命中のイラン反体制派の一部には、この軍事作戦によって、大規模な民衆蜂起と現体制の崩壊が引き起こされることを期待する声もあった。トランプ氏もまた「体制転換」の可能性に言及していた。 しかし紛争開始以降、特に停戦成立後は、イラン当局による国内の治安弾圧が強まっている。当局者や活動家によれば、イラン政府は特に反体制感情が根強いクルド人地域において、大規模な逮捕や処刑、軍の展開を進めているという。

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