「グリ下」女子高校生に売春させた罪で男2人に有罪判決 東北などに…10日で109人相手 大阪地裁

大阪・ミナミの通称「グリ下」に出入りする女子高校生に売春させたなどの罪に問われている男2人について、大阪地裁はいずれも有罪判決を言い渡しました。 少女らを「性的な食い物」にしたとされる2人の被告。 裁判長 「主文 被告人 滝本絵斗を懲役2年6か月に処する。この裁判が確定した日から5年間、その刑の執行を猶予する」 マスク姿で法廷に現れた男は、時折うつむきながら裁判長の方を見つめ、読み上げられる判決を聞いていました。 滝本絵斗被告(26)と新山隼士被告(21)は、去年6月以降、大阪・道頓堀のグリコの看板の下、通称「グリ下」に出入りしていた女子高校生に売春させた罪などに問われています。 2人は、70人規模の売春グループのメンバーであることが明らかになっていますが、6月には、リーダーとみられる木村有亮容疑者(34)も逮捕されていて、警察は組織的な犯罪とみて、グループの全容解明を進めています。 メンバー2人が裁判で、いずれも起訴内容を認める中、明らかになったのは、女子高校生たちが売春のため、東北や北陸地方のホテルにまで連れて行かれ、過酷な環境に置かれた実態です。 女子高校生のひとりは、10日間で少なくとも109人と売春させられていますが、滝本被告は接見での取材で、正当性を強調していました。 滝本被告 「女の子には申し訳ないけど、彼女らは稼ぎたいし、お互い目的が一致している。最初は『きつい』って言っていたけど、最後は『また行きたい』って言っていた」 「家に居場所がない」など様々な事情を抱える少年や少女たちが、身を寄せ合っていた「グリ下」。 そうした経済的にも環境的にも厳しい状況にある若者たちが狙われ、犯罪に巻き込まれるケースが相次いできた中で、今回の事件も起きました。 迎えたきょう(2日)の判決で、大阪地裁は滝本被告に懲役2年6か月、執行猶予5年を、新山被告に懲役1年6か月、執行猶予4年を言い渡しました。 理由について、「児童の健全な成長を害し、自分の利益のために性的搾取に及んだ犯行は強く非難されるべきで軽視できない」と指摘しました。 一方、「罪を認めて反省の弁を述べ、家族が出廷し、今後 監督する意思を示している」と述べました。 判決を聞き終えた2人は、裁判長に向かって一礼をした後、互いを見てうなずくような仕草を見せ、法廷を後にしました。

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