オランダ紙『De Telegraaf』が7月1日、かつて「ネクスト・スナイデル」と呼ばれ、オランダ代表招集歴もあるMFが、裁判所から元恋人を暴行・脅迫した罪で60時間の社会奉仕活動を言い渡されたと報じた。 その神童とは18年のU-17欧州選手権でオランダを優勝へと導き、同世代のライアン・フラーフェンベルフ(現リバプール)、ユリエン・ティンベル(現アーセナル)らよりも将来を嘱望されていたモハメド・イハッターレンだ。 事件は23年2月のことで、逮捕されたものの、判決がでるまで拘留されずに釈放されていたイハッターレンは、判決を受ける前からすでに罪を認めていたため、控訴はしなかったようだ。 まだ23歳ながら波乱のキャリアを歩んできた。 8歳でPSVのアカデミーに入団したイハッターレンは、19年1月に16歳でトップチームデビュー。翌19-20シーズンから主力として活躍し、21年夏にはユベントスへ移籍するなど順調にステップアップしていたが、ここからキャリアは暗転する。 イタリアでの生活に馴染めず、22年1月にアヤックスへレンタルで加入するも犯罪組織との関係を疑われ、別の組織からの脅迫を受ける可能性があるとして練習場にすら行くことができず、サッカーに集中することがまったくできなかった。 その後、ユベントスと契約解除して23年夏にトルコのサムスンスポルに加入するも獲得リリースを出した直後に契約の条件変更を求めて即日解雇。半年間の無所属期間を経て、同年12月にスラビア・プラハ契約するも、練習態度などを巡って首脳陣を怒らせているとの報道が出始め、1試合も出場することなく24年4月に退団していた。 そして昨年9月にほぼラストチャンスに近い形で、母国オランダのRKCへの加入が決定。24-25シーズンはエールディビジで24試合に出場して4ゴール・5アシストとまずまずの成績を残したが、チームは2部降格となった。 今回の判決を受けてイハッターレンは、「心から後悔しています。私は社会奉仕活動命令を適切な結果として、また私自身の成長の一環として受け入れます」と自らの過ちを認め、謝罪の言葉を述べている。 RKCのテクニカルディレクター、ベルナルド・シュイテマンも「彼はこれを受け入れ、社会貢献活動を行い、前に進まなければなりません。RKCとしても彼を支え、彼もそれを感謝して受け入れています」とコメントしてる。 まだ23歳。暗転したキャリアを再生させ、もう一度輝けるだろうか。 構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部