警視庁は11日、同僚の財布から現金を盗んだとして、下谷署地域課の男性巡査部長(43)を窃盗容疑で書類送検し、停職1カ月の懲戒処分とした。 巡査部長は同日付で依願退職した。1~5月に同僚5人の財布から十数回にわたり計約8万円を盗んでいたという。「競馬や飲食費に使い、お金が足りなかった」と話している。 送検容疑は5月2日午後10時半ごろ、下谷署内の男性更衣室のロッカーにある同僚警察官の財布から現金1000円を盗んだ疑い。 同庁によると、現金がなくなっていることを不審に思った同僚が更衣室内に設置していたカメラに、巡査部長が現金を抜き取る様子が映っていた。巡査部長はロッカーの上に置かれた鍵を使ったり、無施錠のロッカーを開けたりして窃盗を繰り返していたという。 同庁警察官による現金窃盗事件は今年に入り相次ぎ、4人が摘発されている。蒲田署員が1~2月、捜査で訪れたアパートに侵入し現金計約3000万円を盗んだとして東京地裁で有罪判決を受けたほか、捜査1課警部は臨場先の火災現場での窃盗容疑で5~6月に2度逮捕された。 菅潤一郎警務部参事官の話 警察官としてあるまじき行為で厳正に処分した。