2003年に当時20歳の大学生の次女を殺害された米村州弘[くにひろ]さん(69)=熊本市中央区=が9日、八代市の八代署で講演。署員ら50人に命の大切さを訴えた。 次女はインターネットで知り合った加害者から絞殺された。次女の高校の合格祝いにパソコンを購入したことに触れ、「自分が娘を殺してしまったという気持ちがある」と明かした。 これまで400回以上の講演を重ねてきた米村さん。「命を大切にします」とのお礼のメッセージが届くたびに娘が生きた証しを感じるというが、「20年以上たっても生活が元に戻ることはなく、家庭で次女の名前を声にすることはない」とも話した。 結びに米村さんは「犯人が捕まっていない事件もあり、遺族の胸中を思うとやるせない。遺族のため、全ての犯人を逮捕してほしい」と呼びかけた。講演は署員教育の一環で開かれた。(水田智)