自身が働くホストクラブの女性客に売春させたとして、警視庁は、東京・歌舞伎町のホストクラブ「GRAN」の従業員でホストの田中大亮容疑者(24)=東京都新宿区大京町=を売春防止法違反(困惑売春未遂)の疑いで逮捕し、13日に発表した。「売春をさせようとしたことに間違いない」と容疑を認めているという。 保安課によると、逮捕容疑は今年8~10月ごろ、客の女性(24)に、「立ち(立ちんぼ)の方が稼げるよ」「今日は結果残さないとおかしいからね! 」などとメッセージを送り、同区の大久保公園周辺で客待ちをさせ、売春させようとした疑いがある。 女性が10月、大久保公園周辺で客待ちをしていた際に同法違反(客待ち)容疑で逮捕され、今回の事件が発覚した。田中容疑者は女性が売春しているかを確認するため、立っている画像を送らせていたという。 歌舞伎町のホストクラブを巡っては、女性に多額の借金を背負わせる「売掛金」が問題化し、主要なホストクラブ側が今年4月から、売掛金を廃止する方針を表明していた。 一方で、田中容疑者は女性に対し、来店前に「最低でも10万が必要」「稼ぎが少ないと会えない」などとメッセージを送り、事前に多額の現金を用意させていた。毎回その全額を使い切らせていたという。 警視庁は歌舞伎町のホストの一部で、「ツケ払い」の売掛金制度から、事前に多額の現金を女性に用意させる形に移行しているとみている。結果的に現金を売春などで準備させようとする実態は変わっていない可能性があり、警戒を強めている。(吉村駿)