「オレオレ詐欺」といえば、高齢者をターゲットにしたもの、と思われがちだが、近年は若年層を狙った特殊詐欺が増加している。特殊詐欺対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社はこのほど、全国の20歳以上の男女1195人を対象に、詐欺電話や不審電話に関するアンケート調査を実施、結果を公表した。 これまでに詐欺電話をきっかけとして「金銭的な被害にあった」または「金銭的な被害はないが、だまされかけた」経験があるかを聞いたところ、全体では「金銭的な被害にあった」が5.4%、「金銭的な被害はないが、だまされかけた」が8.6%で、およそ7人に1人(14.0%)が詐欺の危険に遭遇した経験があることが分かった。さらに、詐欺の危険に遭遇した経験がある人の年代別割合を見ると、「金銭的な被害にあった」人のうち56.2%、「金銭的な被害はないが、だまされかけた」人のうち56.3%を20~30代が占めている。 だまされた(だまされかけた)理由を聞いたところ、20~30代では「怖くて逆らえなかった」「パニックになった」「対応を急かされた」「脅迫された」など、恐怖・不安・焦りなどの感情に由来する理由を選んだ人が多く、40~60代以上では「相手が信頼できそうだった」「話が本当のように感じられた」「自分がだまされると思っていなかった」など、過信による思い込みが原因でだまされてしまう傾向が見られた。 警察官をかたる詐欺が増えていることを知っているか年代別に調査した結果、年齢が低いほど、認知度は低かった。特に20代は45.4%が知らないと回答。手口への認知や危機感が広がっていないことが被害急増の一因になっている可能性がある。 詐欺や不審電話について、普段どのように情報を得ているかについては、20~30代はSNSを使うと答えた人が30%以上で、他の年代に比べて多い。一方、40~60代以上の人は、テレビやニュースサイトから情報を得ている人が多い。60代以上は新聞、家族や知人からの情報、警察や企業の公開情報など、幅広く情報を得ている傾向が他の世代よりも顕著に見られた。 詐欺や不審な電話について、「特に情報を得ていない」と答えた人を年代別に見ると、20~30代が65.8%を占めた。若年層はSNSで情報を得る人が多い一方、得られる情報が限定的になり、興味のない情報はほとんど収集していない可能性が推察される。 同社は「電話で『お金』や『キャッシュカード』の話が出たら詐欺を疑い、電話を切ること。また、警察官がメッセージアプリやSNSで連絡をしたり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりすることはありません。このような連絡があった場合は対応しないでください」などと注意を呼びかけている。 (よろず~ニュース調査班)