東京都内で被害が相次いだ“ギター借りパク事件”。 男は逮捕された際、所持金を数百円しか持っていなかったことが分かりました。 警察車両の後部座席でうつむく男。 東京都内で被害が相次いだギターの連続借りパク事件を巡り、逮捕・送検された有馬健容疑者(31)です。 有馬容疑者は7月14日、東京・杉並区の音楽スタジオを訪れ、約70万円相当のエレキギター1本をだまし取った疑いが持たれています。 東京・高円寺にある音楽スタジオの防犯カメラ映像で、店を訪れた白Tシャツの有馬容疑者とみられる男が捉えられていました。 接客した店長は、男から「ギターが壊れたから貸してほしい」と頼まれたのだと話します。 店長: レコーディング中にギターが壊れて、修理にしばらくかかるようなので慌てて探しているという事情を伺って、貸し出したという経緯ですね。 白T男はスタッフと談笑した後、ギターが入ったケースを手に出て行きました。 店長: めちゃめちゃ人当たりよかったです。さわやかな好青年という感じでしたね。 貸し出したギターは、スタッフの私物のテレキャスターというモデルで、価格は約15万円。 1日3000円で貸したものの、その後、音信不通になりました。 さらに、有馬容疑者とみられる男の姿は東京・江戸川区にある音楽機材のレンタル店でも捉えられていました。 店に現れたのは、やはり白Tシャツの男。 高円寺のスタジオを訪れた借りパク男と比べてみると、白Tに黒いズボン、背格好からも同一人物に見えます。 店の担当者: ギターアンプのヘッドのみを借りたいという連絡をいただきまして。 エレキギターを鳴らすために使うアンプのヘッド部分を借りるに当たっての本人確認で、有馬容疑者が提出したのがこの免許証。 名前は有馬健、住所は東京都内になっています。 本物の免許証を示して借りパクをすれば、すぐに身元が特定されるはずですが、有馬容疑者は警視庁の調べに「免許証に記載されている住所に住んでいなかったためバレないだろうと思った」と話しているといいます。 有馬容疑者には200万円から300万円の借金があり、その返済のために借りたギターを売りさばいていたとみられています。 逮捕時の所持金はわずか数百円。 スタッフの私物のギターを貸し出したスタジオの店長は、有馬容疑者の逮捕を受け「今回捕まって、これからどうやって立て直して生きてゆくか考える時間になったらいいなと思いますね」と話しました。 警視庁は「イット!」が報じた他の音楽スタジオなどの被害も把握。 余罪が20件ほど確認されていることから、一連の事件に有馬容疑者が関与しているとみて調べを進める方針です。