「常連は近づかないベテラン女性」大久保公園で客待ちで逮捕された女4人の〝界隈〟での評判

警視庁保安課は、売春目的の客待ちをした売春防止法違反の疑いで、7月24日までに無職・A容疑者(20)、B容疑者(24)ら女4人を逮捕した。A容疑者は’23年から約2年間で約1億1千万円を稼いだとみられ、ホストクラブやギャンブルに使ったという。彼女らはいずれも容疑を認めている。 今回の逮捕は、逮捕状を発行しての通常逮捕となっており、私服警官が一般男性を装う〝おとり捜査〟による現行犯逮捕ではない。警視庁の立ちんぼ対策への本気度がうかがえる事件だが、女性らが、大久保公園周辺でも知られた〝悪質な立ちんぼ〟だったことも逮捕の引き金になったようだ。 逮捕されたA容疑者は、摘発を逃れるためにSNSグループを作成し、見回りの警察官及び、私服警官の情報を共有していた。また、大久保公園近辺では昨年以降、「立ちんぼとホテルへ入ったあとに、財布がなくなっていた」といった110番通報が40件以上寄せられており、余罪もあるとみられている。 大久保公園周辺の立ちんぼに詳しい男性に話を聞くと、逮捕された女性らがいたエリアは、常連客たちの間では、「悪質な立ちんぼがいるエリア」として知られていたといい「彼女たちは外国人ばかりを相手にしていた」と当時の様子を語る。 「大久保公園のすぐ近くにいる立ちんぼは、ベテランでお決まりのメンツです。大久保公園に近ければ近いほど、歴が長く金にシビアなプロで、今回逮捕された女たちはそういった類いの連中です。 詐欺まがいのことをしていたという話も本当で、60分2万円の条件だったのに、シャワーに30~40分も入ってプレイ時間を短縮、本番行為が始まると、『痛い! 痛い!』と叫び、プレイを中断。それにもかかわらずきっちり金銭を請求するなど、やりたい放題でした。男がシャワーを浴びている間に財布の金を抜いたりするのもよく聞く話です」 こうした“悪行”が広まるにつれ、界隈の常連男性客たちは彼女らを見向きもしなくなったという。 「しかし、彼女たちも金を稼ぐためには商売相手を見つけなければなりません。そこで目を付けたのが外国人観光客なのでしょう。外国人であれば、私服警官の可能性はゼロですし、相場以上に吹っ掛けても、金は払ってくれます。彼女らの客は7~8割が外国人だったのではと思います。残りの2~3割は新規の日本人男性で、悪い意味で有名な観光地となっている大久保公園で、立ちんぼを見物に訪れた一見の客です」 一般の立ちんぼたちも、悪名高い女性が多い場所には近寄らなかったようだ。詐欺まがいの行為以外にも、美人局をする女性なども現れているため、男性側も悪質な立ちんぼの情報を共有して対策をしているという。 ◆本誌も耳にしていたA容疑者の〝罵声〟 ’24年3月、『FRIDAYデジタル』ではA容疑者が職務質問をされた瞬間を捉えている。当時、動画撮影をしようとスマホカメラを向けた男性に向けて、彼女は威嚇をするように声を荒らげていた。 この場面を目撃していた男性にこの当時の様子をあらためて聞いた。 「あの当時は動画配信者たちが、ライブ配信をしながら立ちんぼが立ち並んでいる通りを歩くのが一種の流行になっていて、日常的な光景でした。多くの女性たちは撮られることに慣れてしまっていて、あまり気にしていませんでした。しかしAさん、Bさんは攻撃的で、カメラを持っている人に『動画撮ってんじゃねーよ!』などと、怒鳴ったりしていました」 ’24年の取材時には筆者も「チー牛(ネットスラングで、オタクや性格が暗い人、地味な人を馬鹿にする言葉)はネットに帰れ。ネットでしかイキれないのに気持ち悪りーんだよ!」と、彼女らが通行人に罵声を浴びせるのを聞いていた。同じようなことは繰り返し行われていたのだろう。 ◆TACHINBOが世界的に有名になった A容疑者がターゲットにしていた外国人観光客らの間でも、立ちんぼのいる大久保公園は日本のディープな観光地として知られているようだ。彼らの多くは動画サイトやSNSで「TACHINBO」という言葉を知り、大久保公園に訪れているのだ。YouTube、Instagram、TikTokといった主要な動画サイトやSNSでは、「TACHINBO」が路上で売春の客待ちをする女性を指す日本語であると、各国の言語で拡散されている。 彼らも日本人と同じように動画撮影を行う者もいれば、実際に遊ぶために交渉している者もいて、国籍は多岐にわたる。一眼レフカメラを持ち、撮影を行っていた中国籍の男性も「一度来てみたかった」と目を輝かせていた。 「アンダーグラウンドなスポットとして中国でも有名です。安全な日本の大都会の中で、春を売る女性がこれだけ並んでいる異質な場所です。刺激的な場所が好きな人は、日本に来たらぜひ訪れてみてほしい」(中国人男性) 今回の逮捕はA容疑者らの評判がかなり悪かったことが大きな理由だろう。しかし、外国人観光客を固定化したプロが食い物にするという構図は、〝交縁界隈〟の末期的な様相にも思えてしまう。立ちんぼの摘発と逮捕は今後も続くだろう。しかし、立ちんぼたちはこれまでにも取り締まりに対策をしてきた流れがあり、逮捕されてなお立ち続ける女性もいる。今後はさらなる対策の強化が望まれる。 取材・文・写真:白紙緑

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