静岡中央署は12日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで静岡市葵区南沼上、タクシー運転手の男(61)を逮捕した。逮捕容疑は11日午前2時半ごろ、同区柚木の国道1号でタクシーを運転中、同市清水区草薙2丁目の男性会社員(54)と衝突する死亡事故を起こし、そのまま逃走した疑い。男性は頭などを強く打ち、その場で死亡が確認された。 同署によると、タクシー運転手の男は当時業務中で、乗客はなく、片側2車線のうち右側の車線を西進していた。男性を中央分離帯付近でひいた可能性があるという。周辺の防犯カメラの捜査から黒色のタクシーが浮上。押収したタクシーは右前の車体底部分に損傷がみられたという。タクシー運転手の男は容疑を否認し、「道に物があるのはわかっていたが、よけたと思った」などと供述しているという。 運転手の男が所属するタクシー会社によると、男は入社1カ月で事故歴はなく、勤務態度に問題は見られなかった。男は、事故後の11日午前5時ごろ、同社の営業所に戻り「乗客を送迎中に国道1号の真ん中を歩いている人を見かけた。危なかった」と同僚に話していたという。話を聞いた関係者は、男が「事故を起こした認識がない様子だった」と振り返った。 現場はJR東静岡駅に近い商業施設北側の直線道路。