神戸・女性刺殺 後方5~10メートルを執拗に尾行か 複数の防犯カメラに容疑者とみられる姿

神戸市中央区のマンションで20日夜、住人の会社員片山恵さん(24)が刺されて死亡した事件では、複数の防犯カメラに、兵庫県警に殺人容疑で逮捕された会社員谷本将志容疑者(35)とみられる男が片山さんの後を追う姿が写っていた。県警は片山さんが勤務先を出た直後から帰宅するまで、約50分間にわたり尾行したとみており、カメラの映像からは執拗(しつよう)さが浮かぶ。 阪神電鉄神戸三宮駅近くの2カ所の防犯カメラにも、事件の約10分前、2人とみられる映像が残っていた。 20日午後7時3分、地下にある神戸三宮駅の東口方面から、商業施設に階段で入る片山さんの後方約5メートルに、谷本容疑者とみられる男が現れた。黒っぽいリュックを背負い、黒い半袖のTシャツと黒い長ズボン姿で金髪交じりの黒髪。現場マンションの防犯カメラが捉えた逃走した男の特徴と一致する。 さらに午後7時12分、地下街から地上に向かうエスカレーターに乗る片山さんの姿が別のカメラに写っていた。手にはレジ袋を持っており、スーパーで買い物をしたとみられる。 この時も黒っぽいリュックを背負った男が、片山さんが来た方向から現れ、10メートルほどの間隔を保ちながら、ゆっくりとエスカレーターに近づいていく。ポケットからスマートフォンとみられるものを取り出しながら乗り込んだ。 いずれの映像でも、片山さんは後ろを振り向くなど周囲を警戒するそぶりはなく、男は間隔を取り、後方を歩いていた。 捜査関係者によると、片山さんは20日午後6時半ごろ、勤務先を退勤。歩いて約10分の郵便局に立ち寄った後、阪神電鉄西元町駅から電車に乗った。神戸三宮駅で下車し、スーパーに立ち寄った。その後、ポートライナー三宮駅から貿易センター駅まで乗車。駅から歩き、午後7時20分ごろに自宅マンションに着いた。 県警葺合署捜査本部は、複数の防犯カメラ映像をつなぐ「リレー方式」で行動を確認。谷本容疑者とみられる男が、勤務先を出た直後から片山さんの後をつけている様子も写っていた。同じ電車に乗るなどし、約50分間にわたって尾行。マンションに着いた片山さんに続いてオートロックのドアを通り抜け、エレベーターで襲った疑いが持たれている。

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