俳優の清水尋也(ひろや)容疑者(26)が、違法薬物に関連した容疑で警視庁に逮捕されたことが3日、関係者への取材で分かった。 清水容疑者は、13歳だった12年の映画「震動」でデビューした。一見、無機質に見えながら強い目力を持ち、独特の存在感ある演技で10代前半から頭角を現し、14年の映画「渇き。」(中島哲也監督)で演じた、いじめられっ子役の芝居が評判を呼び、一躍その名を世に知らしめた。翌15年の「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」(成島出監督)では、自殺した少年を実は殺したと告発された不良という「渇き。」とは正反対の役を演じた。振れ幅の広い役どころを、その役に憑依(ひょうい)したように演じる姿に、評価はますます高まり、若手俳優の中でも一躍、芝居で注目される存在となった。 サッカー、バスケットボールで鍛え抜いた身体能力の高さも定評があった。23年の映画「リボルバー・リリー」(行定勲監督)では、主演の綾瀬はるか(40)が演じた女スパイを付け狙う刺客を演じ、2人の壮絶な戦いを演じた超絶アクションには驚きの声が上がった。 若くして徹底した役作りと芝居巧者ぶりで評価されながら、舞台あいさつなど、表に出る場面では決して、口数は多くなかった。自らの役どころを簡潔に説明しつつ、主演や先輩の俳優を立て、出過ぎない一面もあった。23年3月に都内で行われた「リボルバー・リリー」映画キャストお披露目会見では「綾瀬さんと対決させていただきました。お芝居でもアクションで大先輩。真っ向からやらせていただく、勉強させていただくつもりで臨みました」と、綾瀬へのリスペクトを口にしていた。