「死ぬ以外やめられないと思った」ギャンブル依存症の男性、立ち直るまでの苦労語る 福井市、当事者や家族が悩みを共有

「全国ギャンブル依存症家族の会 福井」は9月13日、当事者やその家族らが集う会を福井県福井市問屋町1丁目のユニオンプラザ福井で開いた。当事者が講演し、依存症から立ち直るまでの苦労を語った。約20人が参加し、依存症という病気への理解を深め、悩みを共有した。 講演では、依存症から回復した経験を持つ佐藤さん(埼玉県)が「結婚し子どもができても競馬はやめられなかった。死ぬ以外やめられないと思った」と振り返った。友人の結婚式に出席しても、競馬の時間になると途中退席したという。 家族との関係については「妻には徹底的に金銭管理されたが、出張や飲み会があるとうそをつき、金をせびった。最終的には包丁を手に、金を出すよう妻を脅した。逮捕されて初めて正しく絶望した」と話した。 その後自助グループに参加。メリットとして「回復者と出会えること」を挙げ「ありのままの自分を受け入れ、この人のようになりたいという思いが強くなり、回復していった。生き方を変えることができた」と感謝した。 講演の後はグループに分かれ、それぞれの悩みを共有した。子どもが依存症のある親は「1回だけ借金の肩代わりをしたが、結局子どもの依存症は治っていない」と打ち明けた。家族の会の会員からは「苦しいと思うけど、子どもを突き放し自立を促すべき」「子どもの困った姿を目の前にすると、冷静な判断ができなくなるから、第三者の意見が聞けるように会とつながっておくことが大切」とアドバイスしていた。 家族の会福井は昨年12月、家族が依存症だった山田亜紀子さん(54)が設立した。次回の集いは10月11日午後1時半から、福井市のフェニックス・プラザで開く。

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