尹前大統領側近の議員が逮捕状審査に出席 旧統一教会に絡む容疑

【ソウル聯合ニュース】韓国最大野党「国民の力」の重鎮、権性東(クォン・ソンドン)前院内代表は16日午後、自身の逮捕状発付の是非を判断する審査に出席するためソウル中央地裁に到着した。権氏は尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の側近で、尹政権と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の癒着疑惑の発端とされる事件の中心人物。 権氏は報道陣に対し、無理な捜査、内容が伴わない逮捕状請求、政治権力との利害関係が絡まっているという点で文在寅(ムン・ジェイン)政権下の検察と現政権の特別検察官は同じだとして、文政権下の検察の自身への捜査が偽りだったように、現在の特別検察官の捜査も偽りだと主張した。 また「私はその時も潔白だったし、今回も潔白だ」とし、「きょう裁判所で事実関係をそのまま明らかにし、説明する」と話した。 権氏は文政権下の2018年に北東部にあるカジノ・リゾート「江原ランド」の不正採用事件を巡り、逮捕状審査を受けたことがある。 この日の審査の結果は同日夜からあす未明にかけて出る見通しだ。 権氏は2022年1月、当時の旧統一教会幹部(逮捕・起訴済み)から、大統領選に立候補した尹前大統領に組織票を入れる見返りとして教団の支援などを要請され、違法な政治資金1億ウォン(約1060万円)を受け取った疑い(政治資金法違反)が持たれている。 また、22年2~3月に教団トップの韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁から現金が入った紙袋を受け取った疑いや、韓氏の海外賭博に関する捜査情報を教団側に漏らした疑いなどもかけられている。 尹前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る複数の不正疑惑を捜査する特別検察官チームは「政治権力と宗教団体が結託して韓国の国政を壟断(ろうだん)し、選挙に介入して司法秩序をかく乱した事件の全ての発端は、国会議員として清廉の義務に違反した被疑者の違法な政治資金授受」と強調した。 特別検察官側は先月28日に権氏の逮捕状を請求。権氏が国会議員であるため「不逮捕特権」により、令状審査を開くには逮捕同意案が国会で可決される必要があったが、今月11日の本会議で可決された。 権氏は容疑を全面的に否認しており、逮捕同意案の採決に先立ち「特別検察官が私に対し提起した主張は全て虚偽」と主張した。

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