名古屋葵大学(旧名古屋女子大学)などを運営する学校法人越原学園(名古屋市瑞穂区)をめぐる背任事件で、名古屋地検特捜部は16日、大学施設の改修工事費などを水増しして契約し、学園に計約3億5千万円の損害を与えたとして、学園の副理事長、越原洋二郎容疑者(52)=名古屋市中区=を背任容疑で再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。特捜部は、代金の一部を自身に還流させる目的があったとみている。 学園は同日付で越原容疑者を副理事長から解任し、懲戒解雇にした。原因究明などに向けて第三者委員会を設置して調査する方針。 特捜部によると、再逮捕容疑は2020年10月、大学施設の改修で、本来必要がない元請け業者を介在させるなどし、利益分として約7200万円を上乗せした1億4300万円で工事契約を学園に結ばせた。また、22年7~11月、学園の太陽光発電設備購入に際し、6回にわたり計約2億8200万円を上乗せした計約11億5千万円で、業者と契約させたというもの。 特捜部は同日、20~21年、太陽光発電設備の購入で計約5500万円を上乗せして学園に契約させたとして、越原容疑者を背任罪で起訴した。起訴内容の認否を明らかにしてない。越原学園はホームページに「誠に遺憾で、事態を極めて重く厳粛に受け止めている」などとするコメントを掲載した。(石垣明真)