尹前大統領の最側近議員を逮捕 旧統一教会と前政権の癒着疑惑、教団トップ韓鶴子氏は出頭

【ソウル=桜井紀雄】韓国の特別検察官の捜査チームは17日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)から不正な政治資金を受け取ったとして、政治資金法違反の疑いで、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の最側近で保守系最大野党「国民の力」の重鎮、権性東(クォン・ソンドン)国会議員を逮捕した。ソウル中央地裁が「証拠隠滅の恐れがある」として逮捕状を発付した。 特別検察官は尹氏の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏が教団元幹部から高額ネックレスを受け取った疑いなど、尹前政権と旧統一教会の癒着疑惑を捜査してきた。 国会議員には不逮捕特権があるが、国会が11日、革新系与党「共に民主党」主導の下、逮捕同意案を可決した。尹前政権に関連した一連の不正疑惑捜査で現職議員が逮捕されたのは初めて。 一方、教団トップの韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は17日、特別検察官の事務所に出頭した。取り調べが行われる見通し。韓氏は出頭要請を3回拒み、拘束令状の請求が検討されていた。権氏の逮捕と韓氏の出頭で癒着疑惑の捜査に弾みがつくとみられる。 権氏は、尹氏が当選した大統領選前の2022年1月、教団元幹部の男=請託禁止法違反罪などで起訴=を通じ、教団が組織票を動員する見返りに、当選後に便宜を図るよう求められ、1億ウォン(約1060万円)を受け取った疑いが持たれている。韓氏の不正賭博疑惑に関する捜査情報を教団側に漏らした疑いもある。権氏は全面的に容疑を否認している。

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