警察官になりすまして現金約1000万円をだまし取ったとして、大阪府警は19日、台湾籍で住所不定の会社員、張俊龍(チャン・チュンロン)容疑者(25)を詐欺の疑いで逮捕したと発表した。 張容疑者らは被害女性に見守りカメラを自宅に設置するよう指示して、本物の警察に通報しないかなど行動を監視していたとみられる。 逮捕容疑は8月下旬から9月上旬、氏名不詳者らと共謀し、警察官などになりすまして府内の70代女性方に連絡。「投資詐欺にあなたの口座が使われている。無実を証明するには預金を預ける必要がある」などとうそを言って、現金約1000万円をだまし取ったとしている。 張容疑者は詐取した金の回収役だったとみられる。府警は認否を明らかにしていない。 府警特殊詐欺捜査課によると、容疑者らは現金を受け取る過程で女性に見守りカメラを購入するよう指示していた。「引き出した現金が取られないようにするため」などと言って買わせていたという。 カメラを玄関や部屋に設置させて、容疑者らが自宅の様子や音声を聞き取れる状態にしていた。相互通話もできる仕組みで、カメラを通じて行動を指示していた疑いもあるという。 府警は、女性が警察や家族に連絡しないかをカメラで確認していたとみている。【川地隆史】