沢口靖子が主演を務める月9ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)第3話は、DICTメンバー南方睦郎を演じる一ノ瀬颯の主役回、かと思えば内閣官房副長官・佐生(安田顕)のもう一つの顔が見えてきたり、福本莉子がサプライズ出演したりと怒涛の展開となった回だった。 第1話の闇バイト、第2話のロマンス詐欺に続く、第3話で題材となる情報犯罪は、事業承継と宗教ビジネス。後継者不足や資金難に苦しむ企業に承継ビジネスを持ちかけ、なけなしの資金を騙し取る悪行に、南方の大学時代の友人で税理士の上村元也(松岡広大)が加担していた。 その背後にいるのが、「宗教法人ルミナス」の教祖として宗教法人を母体とする「黒澤ホールディングス」を立ち上げた男・黒澤道文(今井清隆)。上村は借金を返すべく軽い気持ちで始めたものの、共謀する奥田(町田悠宇)から命を狙われている重圧により足を洗うことができなくなっていた。そんな上村からの“SOS”に気づいてあげられなかった南方は、上村を説得し、奥田を逮捕できる証拠が手に入る、と思いきやあと一歩のところで上村は背後からナイフで刺されてしまう。相手は、事業承継で潰された会社の息子。エビデンスデータが入ったUSBは、奥田に回収されてしまうのだった。 そして、官邸から降りてきた黒澤ホールディングスへの捜査中止命令。中野幹事長(大河内浩)は黒澤と繋がりがあり、そのことを気にかけ佐生が事前に指示していたのだ。黒澤の先にいるのがDICTが真の本丸とするトクリュウ。海外への資金流出の足取りは途中までしか追えておらず、強引に動いても黒澤の足取りは掴めない。だから、佐生はDICTの捜査を止めた。「政治においては相手の弱みを握ることが何よりも必要ですから」と総理の桐谷(板谷由夏)に告げる。佐生が懐から出したのは、桐谷の夫の浮気写真。佐生は総理の弱みもすでに握っているということだろう。 サプライズ出演となった福本が演じたのは、お団子好きの通行人の役。40年以上続いた団子屋が詐欺の被害により倒産し、閉店を悲しむ奈美の横を通行人が通り掛かるというシチュエーションだ。福本が登場するのは約20秒という、かなり贅沢な出演の仕方だが、沢口靖子と同じ東宝シンデレラグランプリ受賞者同士の共演ということに意味があると言えるだろう。 国難に対峙する決定を握る佐生。一方で、空港では総理の娘・桐谷カナ(白本彩奈)が海外へと飛び立とうとしていた。一緒にいるのは、スコット(樋口幸平)。やがて危機的状況へと発展していくその始まりだ。